札幌シルバーバーチの会

本の紹介

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ここでは、独自の視点でこれまで読んだ本の中でスピリチュアリズムの理解につながったり、自分が霊的真理を確信する助けとなった本を紹介します。あくまで個人の限られた経験の中で出会った書物ですが、参考にしていただければ幸いです。(藤原)

①プルーフ・オブ・ヘヴン
エベン・アレクザンダー著

〈本の内容と感想〉
世界最高峰の名門ハーバード・メディカル・スクールで長らく脳神経外科医として治療と研究にあたってきたエベン・アレクザンダー医師が、ある朝突然の奇病に襲われ、瞬く間に昏睡状態に陥った。脳が病原菌に侵され、意識や感情をつかさどる領域が働かない中での「臨死体験」が綴られている。これまでも、臨死体験に関する書物は数多く出版されてるが、現役の高名な脳神経外科医が克明に記した内容である点と、あくまでこの臨死体験を神経学的に説明しようと試みても、体験したことの超現実性を説明し得る説がひとつもなかった点が他の臨死体験との一線を画している。今日の高度情報化時代において、人々は従来の宗教が説いてきた死後の世界や、霊魂についての説明だけでは、知的に納得することができなくなっている。その意味で、アレグザンダー医師の体験を綴った本書は、スピリチュアリズムを理解する一助となる。

②コナン・ドイルの心霊学
 コナン・ドイル著

〈本の内容と感想〉
コナン・ドイルは、シャロック・ホームズの作者である以上に、人生の探究者で心霊学の熱心な開拓者であった。ドイルの生きた時代は、第一次世界大戦に象徴されるヨーロッパにおける帝国主義的植民地支配の趨勢であり、その中心的勢力となっていたのが、ドイルの母国イギリスであった、手段を選ばぬ策謀によって、他国から利権を奪い巨利を搾取していく母国の資本主義者達にドイルは激しい憤りを覚えていたという。もう一つは、第一次世界大戦の戦場となっていたヨーロッパは、実に2000年近くもキリスト教的道徳観によって支配されてきたが、そのキリスト教がなぜ戦争の歯止めにならなかったのか。ドイルは、その最大の原因は、キリスト教の教義がバイブルという人工の教義であり、天国を説いても、地獄を説いてもその裏付けとなるものを持ち合わせていないことにあると主張する。1926年には「スピリチュアリズムの歴史」という大著を残し、世界スピリチュアリズム連盟の議長を務めたコナン・ドイルのスピリチュアリストとしての側面を知る貴重な手掛かりとなる。

③量子論から解き明かす「心の世界」と「あの世」
~物心二元論を超える究極の科学~
岸根 卓郎著

〈本の内容と感想〉
著者の岸根卓郎氏は、京都大学名誉教授。京都大学では、湯川秀樹、朝永振一郎といったノーベル賞受賞者の師であり、日本数学会の草分けとして知られる数学者園正造京都帝国大学名誉教授(故人)に最後の弟子として数学、数理経済学、哲学の薫陶を受ける。この『量子論から解き明かす「心の世界」と「あの世」』は書店でも精神世界のコーナーにあり、内容は学術的なものが大部分を占めるのだが、本のタイトルや内容から学術書としてよりも、精神世界のコーナーに置かれたと思う。岸根氏は「宇宙の〈万物〉や宇宙で起こる様々な〈出来事〉は、すべて〈潜在的に存在〉していて、私たち〈人間〉がそれを観察しないうちは、実質的な存在〈実在〉ではないが、〈観察〉すると突然〈実質的な存在〉〈実在〉になる」と述べている。このことを量子論を象徴する「月は(その心)が見たときにはじめて存在する。人間(その心)が見ていない月は存在しない。」となぞらえている。またノーベル物理学賞を受賞したユージン・ウィグナーの言葉「私たちの意識が、私たちを変えることによって、この世(宇宙)を変える。しかも、その意識は私たち自身が量子論的波動関数を変えることによって(波束の収縮によって:岸根氏注)それを行う」を引用し、究極まで突き詰めていくと〈量子論〉こそは、従来の〈物の世界の学問の域〉を超えて〈心の世界の学問の域〉にまで踏み込んだ〈物心一元論〉の〈真に創造的な学問〉であると述べている。現代物理学の立場からあの世(霊界)の存在が決して迷信の世界ではないことを述べていて興味深い。

④人生は本当の自分を探すスピリチュアルな旅
~人が悲しみ・病気・不幸から学ぶものは?~
近藤 千雄著

〈本の内容と感想〉
「シルバーバーチの霊訓」を始めとしたスピリチュアリズム関係の原典を研究、翻訳し数多く世に出した著者が自分の人生体験、欧米の最高峰のスピリチュアリズム研究者との交流を語り、「人間とは何か」「霊界とは何か」を分かりやすく明らかにした本。昭和10年生まれの筆者は、高校時代からスピリチュアリズムに関心を抱き、度々交霊会にも立ち会って、死後の個性の存続を確信する。目次 1章 本当の“自分”を求めて 2章 自我の中枢が“脳”でないことを物語る実話 3章 心霊現象とは何か、そして何のために演出されるのか 4章 スピリチュアリズムとは何か 5章 スピリチュアリズム思想の四大原理 6章 霊媒の種類とその功績 7章 森羅万象は霊力の顕現。「シルバーバーチの霊訓」を始めとしたスピリチュアリズム関連の書籍を翻訳された著者が自らスピリチュアリストとしての人生を歩んで来られたことが良くわかる。著者はあとがきで「神は地上の人生を、人間であるがゆえの弱さの限界に達したかに思えた段階で、本当の強さを見出すように配剤しております。もはや地上のどこにも頼るべきものが見出せず、絶対絶命と思えた時こそ、魂が霊的真理の光に照らし出される用意が整ったのです」というシルバーバーとの霊言を引用して、それにしても何という情け容赦のない言葉であろうか。人間はなぜそこまで追い詰められ、悲哀を味わう必要があるのであろうかと記している。近藤氏がその生涯を通して、霊的真理の普及に努めて来られた精神を私たちも受け継ぐべきであろう。

⑤霊界通信「イエスの少年時代」
ジュラルディーン・カミンズ著
山本貞彰訳

〈本の内容と感想〉
名著『永遠の大道』を受信した稀代の霊能者ジュラルディーン・カミンズ(1890-1969)の自動書記による霊界通信。ジュラルディーン・カミンズは美しい自然に恵まれたアイルランドで大学の教授をしていたアシュレー・カミンズの娘として誕生し、英国における20世紀最大の霊能者の一人として貢献した人物である。山本氏は訳者あとがきの中で「“イエスの伝記というものは、正確な意味で何一つ存在していないと言ってもよい。新約聖書中の福音書は、元来イエスの受難物語(十字架上の死と復活)に重点を置いてかかれたものであるから、イエスの重要な背景をなす「生いたちの記」が完全に欠落していることになる。カミンズは彼女の偉大な霊能によって「母マリアの背景」と「イエスの生育史」というもっとも重要な部分を提供してくれたのである。」と書かれている。この霊界通信のシリーズには、霊界通信『イエスの成年時代』、霊界通信『イエスの弟子達』があり、これらの霊界通信には、神学者や聖書学者、キリスト教の司祭などがその内容の正確さに折り紙をつけている点も注目される。イエスの母マリヤとともに、少年時代、成年時代を通して父ヨセフの実姉のマリア・クローパスという聖書には登場しない人物が大きな役割を果たしている点などこれまで知られることのなかったイエスを取り巻く環境や当時の人々の暮らしや出来事に興味を抱くとともに、様々な困難の中でそれを克服して成長しいくイエスの幼少期からの求道一筋の姿に深い感動を覚える。キリスト教や聖書に関心のある人もない人も是非一読を勧める。